このようなお悩みをお持ちの方は、もしかしたら水平埋伏智歯が原因かもしれません。放置すると、さらに症状が悪化する可能性もありますので、早めの受診をおすすめします。
親知らずは、一番奥に生えてくる歯で、上下左右に4本あります。しかし、顎の骨のスペースが足りないなどの理由で、正常に生えてこず、 歯ぐきの中に埋まったままになったり、斜めや横向きに生えてしまうことがあります。特に、 横向きに完全に埋まっている親知らずを「水平埋伏智歯(すいへいまいふくちし)」と呼びます。
水平埋伏智歯をそのままにしておくと、以下のような様々なトラブルを引き起こす可能性があります。
このようなトラブルを防ぐためには、抜歯が必要となる場合があります。
当院では、患者様に安心して治療を受けていただけるよう、丁寧な診査とわかりやすい説明を心がけています。水平埋伏智歯の抜歯は、一般的に以下の手順で行われます。
まず、お口の中の状態を詳しく確認し、レントゲン撮影を行います。レントゲン写真で、親知らずの根の形や、周りの歯や神経との位置関係などを正確に把握することが重要です。
抜歯時の痛みをなくすために麻酔を行います。水平埋伏智歯の抜歯は、通常の麻酔に加えて、より広範囲に効果が持続する伝達麻酔を行うことがあります。これにより、手術中はもちろん、手術後の痛みも軽減することができます。
メスを使って、親知らずの周りの歯ぐきを切開します。
切開した歯ぐきを丁寧に剥がし、親知らずがしっかりと見えるようにします。
水平に埋まっている親知らずは、そのままでは抜きにくい場合があります。そのため、手前の歯に引っかかっている部分(歯冠)や、必要に応じて歯の根を分割して、少しずつ取り除くことがあります。
分割した歯の根を丁寧に抜き取ります。
歯を抜いた後の穴(抜歯窩)を丁寧に洗浄し、感染のリスクを減らします。
必要に応じて、切開した歯ぐきを縫合糸(主に絹糸を使用します)で丁寧に縫い合わせます。
通常、約1週間後に抜糸を行います。同時に、抜歯した部分の状態を確認し、必要に応じて再度洗浄を行います。
当院では、開業以来49年間、埋伏歯を含む親知らずの抜歯を数多く行ってまいりました。
平均的な抜歯時間は約1時間です。これは、長年の経験によって培われた、親知らずの根の形や埋まっている方向などを正確に見極める技術と、スムーズな手術によるものです。